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内湾 (ネイワン) 客家文化が色濃く残る街

台湾は九州ほどの「小さな国」だけど文化は多様性に富み、地方色が豊かである。

大陸の中国とは政治体制が違うだけでなく、民族の構成も言語も国民性も全く異なってい

る。何より自由な雰囲気がよい。それに飯がうまい。

 台湾を旅していると、「私は客家だ」と誇らしげに語る人によく出会う。

「客家(ハッカー)て何?」とつい思ってしまう。客家とは中国大陸の黄河流域、福建省や

広東省に住んでいて、18世紀に台湾に入植し、山地に近い桃園、苗栗、美濃などに定住した

人々をさす。独自の客家語を話し質素勤勉を美徳とする自分たちの習慣を守り通している。


台鐵新竹駅・日本植民地時代に建てられた台湾に現存する最古の駅舎

内湾線車両

車内アトラクション(車掌さんでなく役者さんです)

 台鐡新竹駅からローカル線の旅、終点の内湾は伝統的な客家文化が色濃く残っている。

山麓を走る内湾線は周囲を山々に囲まれ、素朴な田舎の風情が楽しめる。

もともとはコンクリートやガラス、木材を運搬する貨物専用路線として敷設されたが、林業や鉱

業の衰退とともに寂れ、過疎の村であったが、近年は週末には多くの人々が訪れ目抜き通りは

多くの人であふれる観光スポットとなっている。


人でごった返す駅前の目抜き通り

きしめんに似た、バンティアオ(レストラン湯屋)

 内湾駅の階段を降りると、そこが内湾老街の目抜き通りで屋台や客家料理店が密集し、小さ

い街ながら、そぞろ歩きが楽しい。


内湾戯院(人文客家茶館)

レストラン内部


 老街の中心に昔の映画館「内湾戯院」がある。この地に暮らす作業員たちの娯楽として作られ

たが、街の衰退とともに映画館は閉鎖され放置されてきたが、現在は人文客家茶館として映画を

見ながら食事がとれるレストランとなっている。


 

データ:内湾への行き方

    台鐡新竹駅あるいは高鐵新竹駅から六家線で竹中駅まで、竹中駅から内湾線に乗り換え終点内湾下車。

    竹中駅から各時間52分発、内湾駅から各時間47分発(1時間に1本)

    台北駅から自強号で新竹駅まで1時間10分、區間車(普通車)で1時間50分。
    バスで1時間15分。
 
    台鐡區間車で行くよりバスで行くほうが早くて、交通費も安い。




                      (文・写真とも 坂本正通)