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             ディエンビエンフーは「性地」ではないー室橋裕和に反論する

 室橋裕和といえば、アジア専門の紀行ライターで、要点を押さえた取材と幅広い知識、文化や歴史と絡めた、彼の記事は軽妙な文章の展開とともに定評がある。
ただ、「2016年8月7日、東スポweb 亜細亜スポーツ」の記事はいただけない、唾棄すべきモノである。
 室橋によれば、ハノイ在住の商社マンを登場させ「ローカルな風俗街が広がっている、グエン・チ・タン通りという道の左右にはゲストハウスの看板がズラリと並んでいて、これはすべて売春宿で、歩いていると「マッサージ、マッサージ」と声がかかる、体を売っているのはベトナム人ではなく、ベトナム北部からラオスにかけて住む少数民族ターイ族である。・・・(省略)一般のベトナム人と比べて貧しく性産業に従事しなくてはならないケースがある」と発言させているが、架空の人物を登場させ、虚偽の出来事をデッチあげる、よくある詐話師の常套手段である。そして、あまりにも少数民族に対する偏見に満ちている。
 ディエンビエンフーは、今から64年前、ベトナム独立同盟軍(ベトミン)とフランス植民地軍が激突し大規模な戦闘が繰り広げられたところである。
 このディエンビエンフーには2015年から4回、インドシナ戦争の調査で訪れ、グエン・チ・タン通りから20mばかり入ったナムゾム川のほとりにある「Rホテル」に宿を取った。街は賑やかで少し離れると見渡す限りの水田が続いている。街の中心は2キロ四方と、こじんまりしていて田舎の街といった風情である。
 グエン・チ・タン通りは衣料品店が軒をつらね、ゲストハウスや大衆食堂、カフェーやベーカリーショップがいたるところにある。子供たちの遊ぶ元気な歓声が響き渡る、ごくごく普通の田舎の街に見られる道路である。ゲストハウスはごく普通の宿泊施設だし、カラオケハウスも健全そのものである。室橋が指摘している様なマッサージ店は見かけない。
外国人旅行者もほとんど見かけないし「ニーハオ」と声をかけられる事もない。
 ディエンビエンフーの街中に風俗街は存在しない。もし、室橋が「風俗街が存在する」と主張し、彼の記事の正当性を言い張るなら、東スポwebの記事に添えられている写真がグエン・チ・タン通の「どこ」なのか具体的に指摘されたい。
ディエンビエンフーは今でもインドシナ戦争の聖地であり「性地」ではない。
 旅の情報に「でっち上げ」は禁物である。欺もう行為によってフェイク情報を垂れ流すなら、ライターなどやめるべきである。ディエンビエンフーの名誉回復のためにも速やかに「インチキ記事」の削除、訂正を求めるものである。


            グエン・チ・タン通り

 室橋自身が「東スポweb亜細亜スポーツ」に掲載した、
グエン・チ・タン通り。未だに謎である?
グエン・チ・タン通りにしては道幅が広すぎる
室橋さ〜ん答えて下さい。この写真は何処の写真ですか?




(文・写真とも 坂本正通)