旅のWEBカフェ WANDER TRAVELER



墟と化したシーパンドン(ラオス)


           夕暮れ時のメコン川


 ラオス最南端、カンボジア国境でメコン川は川幅を大きく広げ、様相を変える。穏やかに流れるメコン川が唯一、例外的に

荒々しい表情を見せる場所でもある。

中洲に無数の島々が浮かび、シーパンドン(4000の島々)と呼ばれている。


対岸はカンボジアでラオ族とクメール族とを分ける分岐点でもある。

 比較的大きな島では人々は水田でコメを作り、川魚を捕らえ、糸を紡ぎ織物を織る自給自足の生活を送っていた。

東南アジアらしい、観光とは無縁な小さな寒村であった。

 自然の美しさに惹かれ、欧米人バックパッカーが押しかけるようになり、村は一変する。

欧米人に迎合し、欧米人好みに変えられていく。

島々の川べりに簡素なゲストハウスやレストランが立ち並び、パブではビール片手に大騒ぎ、まるでヨーロッパの街のような

無国籍、多国籍の様相を見せる。



         ファデット船着き場



          旧鉄道橋



     旧鉄道橋近くに展示されている蒸気機関車


 バンコーン船着場近くに展示されている蒸気機関車


 新型コロナウイルス禍で欧米系のバックパッカーが途絶えると、欧米系の旅行者に依存していた島は壊滅状態になった。

つわもの(兵者)どもの夢の跡、ゲストハウスもレストランも休業状態で・・・元の静かなシーパンドンに戻った。

 自転車をレンタルして島をめぐる、地図がなくても迷うこともない、道は一本道で3〜4時間でコーン島とデット島の

2つの島をめぐることが出来る。自転車を借りるのにパスポートの提示も名前も聞かれない、自転車泥棒がいないのか

鍵の必要もない。


代金は先払いで勝手に元の場所に返しておけばよい。


            廃業したレストラン


       かってのメインストリート



 観光スポットとしては東南アジア最大の水量を誇るコーンパペンの滝、19世紀にフランスが物資輸送のために敷設した

鉄道橋、朽ち果てた2台の蒸気機関車が旧鉄道橋とバンコーン船着き場の近くに展示されている。この光景はかわらない。


               コーンパペンの滝



シーパンドンへの行き方:

パークセーの南バスターミナルからナカサン行きのソンテウで2時間30分、
80,000LAk(約730円)

パークセーからツーリスト用のミニバスでナカサンまで、小型ボートに乗りファデット船着場かドンコーン船着場まで、
ボート代込みで150,000LAK(1360円)

コーンパペンの滝への行き方:

ナカサンからトクトクで30分、往復で80,000LAK(約730円)
入場料 35,000LAK(約320円)


                                                    (文・写真とも 坂本正通)